Lee U-fan(リー・ウーファン)
1936年 韓国 慶尚南道生まれ
1956年 国立ソウル大学中退後来日
1961年 日本大学文学部哲学科卒業
1997年 国立エコール・デ・ボザール招聘教授
2002年 多摩美術大学教授
現在日本を拠点に世界的に活動している、李禹煥(リ・ウーファン、1936年韓国慶尚南道生まれ)は、韓国で儒教にもとづく伝統的な教育をうけた最後の世代に属している。
1956年(昭和31)に来日して以来、日本を拠点に本格的な創作活動を展開。特に60年代末にあらわれた「もの派」と呼ばれる若いアーティストの中で中心的な役割をにない、日本の現代美術のながれに大きな影響をあたえたことで知られる。また、「もの派」をヨーロッパに積極的に知らせる役割も担ってきた。
「もの派」とは石、木、紙、綿、鉄板、パラフィンといった〈もの〉をほとんど手を加えずそのまま作品とする芸術運動。 代表作は「点より」「線より」シリーズで、白いキャンヴァスのどこかにわずかな筆の跡があるだけで、あとは広々とした緊張感のある余白の絵画。李禹煥の作品では、「描かれた」部分はごくわずかであるが、その絵画の前に対峙した時、たった一筆のあとが画面の余白と呼応して、限りない広がりが感じられる。この難しい課題に李禹煥は30年以上もとり組んで来た。 李禹煥の芸術は、「作る」ことにおいて最小限でありながら、最大限の交感をもたらす余白の芸術である。作品の主体性をとりはらい、作者による導きからできるだけ解き放ち、また西洋や東洋といった境界をこえた立場で現代が抱える問題に制作を通して鋭い批判の眼差しを向けている。
「宇宙の森羅万象は点からはじまり点に還るという。点は新たな点を呼び、そうして線に延びる」 そう唱える李禹煥の一筆のストロークからは、最小限の表現に潜むとてつもない強さが満ちており、広大な無限の世界を感じさせる。
Space Planning
Screenprint
[Year] 1985
[Size] 820mm × 630mm
[Edition] ed.40
港より 11 (FROM PORT 11)
ドライポイント
[Year] 1989
[Size] 196mm × 138mm
[Edition] ed.50
削りによる場面1、2、3
木版画
[Year] 1978
[Size] イメージサイズ:約70mm × 100mm / シートサイズ:約110mm × 150mm
[Edition] ed.8,575
李禹煥のオリジナル手摺り木版画「削りによる場面」の3点組です。本作品は1978年4月1日発行の書籍「版画藝術 1978年春 №21」(阿部出版)に付録として付いていたもので、作品サイズは小さいもののオリジナルの手摺り木版画は今では考えられないほど豪華な付録でした。書籍の発行部数8,575がエディション数となっておりますが、現在では市場でもあまり見かけることがない作品です。
本作品の額装に付いて
既に廃業されてしまいましたが、祐天寺にあった小林額縁さんは李禹煥などの巨匠作家の額装を長年手がけられたことで有名で、本作品も偶然に近所であったことからお願いをしたところ快く引き受けてくださった思い出の作品でもあります。
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