今西 真也「かー ーか かー」

IMANISHI Shinya "caw wac caw"

会場:nca | nichido contemporary art

会期:2021年9月10日(金)-10月16日(土)

営業時間:火 – 土 11:00 – 19:00 (*日・月・祝日 休廊)

 

この度、nca | nichido contemporary artは今西真也個展「かー ーか かー」を開催いたします。

今西真也はキャンバスに油絵具を厚く塗り重ね、筆致の跡を力強く残し、削っていく行為を繰り返しながら描いています。画面から距離を持つと次第に表れるイメージは、ものの変化や消失、退廃と同時に再生、蘇生や復興をも想起させるモチーフを選んでおり、死(おわり)と生(はじまり)が表裏一体の関係であることを示しています。距離や視点、位置を変えるたびに新しい表情を見せるそれは、私たちが普段目にし、認識しているものがいかに不確かであるかを明示しているようです。

本展のタイトルの「かー ーか かー」は、カラスの鳴き声を言葉に置き換えた表現(擬声語)です。“とんち”で知られ、今も多くの物語が語られている室町時代の禅僧・一休宗純 (一休さん)は、ある夏の夜に座禅を組んでいた時、カラスの鳴き声を聴き悟りに至ったと語られています。その時、「カラスは見えなくても確かに存在する、見ようとするから見えないのだ。仏の姿もしかり… 」という言葉を一休さんが残したと今西が読んだある書籍に書かれており、それは今西が描きたいと思っているモノのひとつであると記憶していたことから、このタイトルが付けられました。ここで語られている一休宗純の禅の捉え方、モノの捉え方に共感した今西は、私たちが見ることのできない、あるいは見過ごしている現象・事象・関係性、光の移ろいによって変化するモノや色彩、はかなさや自然を切り取り、可視化させて絵画に表そうと試みます。

本展のために制作した大作含む、近・新作、またシェル美術賞2020でグランプリを受賞した作品を一堂に発表します。